日本の伝統ある花嫁衣装・和装婚で知っておきたい6つのこと
先日、女優の藤原紀香さんが和装で挙式をされていましたね。白無垢、打ち掛けともにお似合いで、とっても素敵でした。純白のウェディングドレスもいいけれど、伝統を重んじる日本人らしい和装も風情があって素晴らしいものです。身につける着物や小物にはそれぞれ意味があり、知れば知るほどおもしろく、奥が深い和装。今日は白無垢の意味など、和装婚で知っておきたいあれこれをご紹介します。
和装での結婚式には何がある?
和装婚には神前式、仏前式、人前式があります。神前式は主に神社で行う結婚式のことで、大正天皇の結婚式を原型に広まったそう。本格的な式は神社で行いますが、式場やホテル内の神殿でも挙式は可能で、最近人気のスタイルです。仏前式は一度結婚すると来世でも縁が結ばれるという仏教の教えに基づき、仏の前で来世までの結びつきを誓うもの。先祖に結婚の報告をし、ふたりのめぐりあわせを仏様に感謝する儀式です。神前式よりはマイナーであるため、ホテルや式場で対応してくれるところは少なく、両家のどちらかが属している寺院で行うことがほとんど。人前式は、宗教や格式にとらわれないスタイルなので、特に決まりはなく、オリジナルの挙式が可能です。列席者が立会人となり、結婚を誓い、証人になってもらう、自由度の高いスタイル。
和装婚で身につける花嫁衣装は?
和装と言えばやっぱり白無垢ですよね。白無垢とは和装の婚礼衣装の中でも最も格の高いもの。白無垢を着ることができるのは挙式のときだけです。もうひとつは打ち掛け。打ち掛けとは、小袖の上からもう一枚同形の衣をかけたスタイルのこと。一般的には、挙式では白無垢、披露宴では色打ち掛けを着ることが多いですが、色打ち掛けも神前式結婚式に着用することができます。そして、引き振袖も人気の衣装のひとつ。引き振袖とは、振袖の裾を引いた振袖のことで、これは花嫁衣装ならでは。挙式で着用できる振袖は、一般的な振袖ではなく、黒地の引き振袖(黒引き)のみです。そして和装の場合、神前式や仏前式での挙式には、魔除けの意味も含め、白無垢なら綿帽子、それ以外は角隠しを必ず着用します。最近では洋風のヘアスタイルをすることもありますが、神前式を行うならば角隠しを合わせるのが伝統的な習わしです。
白無垢の「白」にはどんな意味がある?
白無垢は、打掛、掛下、帯、足袋、小物など、小物を含めたすべての衣装を白一色でそろえた、日本の伝統的な花嫁衣装。なぜ「白」なのかを知っていますか? 白であることには「真っ白なまま嫁ぐ」「相手の家の色に染まる」などの意味があるとされています。ただ「白」と言っても実は白無垢の衣装種類が豊富! 素材や柄、刺繍などによって値段もピンキリです。
綿帽子に隠された本当の意味とは?
白無垢を着る際に身につける綿帽子。綿帽子は白無垢のみに合わせられる、和装婚礼衣装の帽子です。綿帽子には「式が済むまで新郎以外の人に顔を見られないようにする」という意味があります。丸みのあるシルエットが特徴的で、白無垢の美しさをより一層引き立てる、奥ゆかしさ感じる和装挙式に欠かせない衣裳のひとつ。綿帽子は挙式のときのみ着用し、披露宴のときにははずします。
角隠しはなぜ被る?
角隠しは文金高島田の髪にかける白い布のこと。白無垢をはじめ、色打ち掛けや振袖にも合わせられる和装婚礼衣装の帽子です。角隠しには「角を隠して従順な妻になる」という意味が込められているそう。角隠しは挙式のときのみ被ります。披露宴の際にははずすのが一般的。出典:kyoyamato
すべてに意味を持つ、和装小物のあれこれ
白無垢や打ち掛けをはじめ、着物をまとう際に欠かせない様々な小物たち。実は、それぞれに意味があります。打ち掛けを着る時に使う「筥迫(はこせこ)」は、小物入れとして着物の胸元に差し込みますが、筥迫には「新郎以外の男性に染まらない」という意味があるんだそう。帯の上に飾る「帯揚げ(おびあげ)」には「子宝に恵まれますように」という意味が込められています。帯に挟む扇子「末広(すえひろ)」はその末広がりの形から、縁起が良く、おめでたいことを表現。帯に刺す「懐剣(かいけん)」は、武家に生まれた女性が護身用に短刀を持っていたことが伝わったもので、「女であってもいざという時は自分の身を守る」という意味が込められています。
結婚式で使う和小物を見る
知っているようで、まだまだ知らないことが多い和装婚のあれこれ。それぞれの意味を知ると、衣装選びがより楽しくなって、花嫁衣装を身につける際も感慨深く、重みを感じますよね。和装挙式を考えているなら、知らないよりも知っておいた方がベターなことばかり。長い目で見て、女性としてぜひ身につけておきたい知識です。