家電とフライパンで段取り上手な晩ごはん~お味噌汁&照り焼きチキンの作り方~
前回の記事、『お料理初級者さんにおすすめ~家電を使って家庭の味、肉じゃがの作り方~』で紹介したシャープ社のホットクック、我が家でも大活躍です。
確かに1台で色んな料理ができちゃうのは魅力。でも晩ごはんは一皿でだけというわけにはいきませんよね。主菜(メインディッシュ)のほか、副菜(おかず)を1~2品、それに和食ならごはんとおみそ汁という献立にしたいものです。そうなると、すべての料理をホットクックに任せていたら、食事の時間がかなり遅くなってしまいます。
段取りよく、晩ごはんの支度をするためには、フライパンや鍋もフル稼働させましょう。まずは、ホットクックでみそ汁を作る準備をしましょう。
ポイント① ホットクックで美味しいおみそ汁のポイント
ホットクックの自動機能には「具だくさんみそ汁」というキーがあります。
これは具材と最初からみそも入れ、キーを押すだけでできあがり!という優れモノです。しかし、残念ながらこの自動機能に頼ってしまうと美味しいおみそ汁はできません。なぜなら、みその香りと酵母の働きが失われてしまうからです。
【ホットクックレシピ:美味しいおみそ汁】
<材料>
・作りたい人数分の具材 各適量
・だし1人あたり 180ml(※お椀の容量)
・みそ1人あたり 大さじ1(※お椀の容量に合せて調節)
<作り方 >
①具にしたい野菜を数種類、適当なサイズに切ってホットクックに入れる。
②だし(昆布水+いりこ)を入れて「具だくさんみそ汁」のキーを選択して
スタートを押す。
③「できあがり」になったら、みそを溶き入れる。
【ホットクックで美味しいおみそ汁 解説】
具材は何でも良く、ホットクックの場合は大きさがふぞろいでもまったく問題ありません。余った野菜を積極的に加えてみましょう。
そこにだしを注ぎます。 ※「だし」については、こちらの記事を参考にしてくださいね。
だしを加えるときは、あとでみそ汁を入れるお椀で計って入れましょう。 ホットクックの場合は、煮ている間に水分が蒸発して少なくなるということもないので、半端に余ってしまうこともなく食べきることができます。
ここで注いだのは「昆布だし」なので、みそ汁は煮干しのだしも加えます。これは好みですが、瀬戸内育ちの私には、みそ汁にはいりこだし(煮干し)が定番なのです。いりこは、あとで取り出しやすいように、お茶パックに入れます。
それから自動メニューの「具たくさんみそ汁」キーを押して調理開始。できあがったら、いりこを入れたパックを取り出してみそを溶き入れます。他の料理の準備はいかがですか?みそは、他の料理が間もなくできあがるという頃に入れましょう。
みそは、すり鉢である程度摺って入れると、溶けやすいうえ、味もまろやかになります。
実は、自動メニューで作るとこのだしの温度が高すぎるのです。
みそは、本来はまだ乳酸菌や酵母が生きています。(※だし入りみそなど、酵母の働きを止めてしまっているみそもあります)
ホットクックが「できあがり!」と言ってからしばらく置いた方が適度に温度が下がるので、みその健康効果を最大限に引き出すことができます。みその乳酸菌は、50℃以上から、酵母は70℃くらいで死んでしまうと言われています。私はいつも、55℃~60℃くらいでみそを入れることにしています。60℃もあれば、決してぬるくはありませんよ。
こうして、「具だくさんおみそ汁」キーを使うと、どんな具材を適当に入れても、かなり美味しく煮てくれるので大助かりです。
さて、ホットクックが自動調理している間、美味しいおみそ汁ができるまでには、約20分はかかりますから、その間にフライパンで、メインディッシュを作りましょう。
【レシピ:フライパンでつくる照り焼きチキン】
<材料>
・鶏もも肉 1枚(約320g大)
・みりん 大さじ6
・しょう油 大さじ3
・植物油 大さじ1
<作り方 >
①鶏肉は湯で洗い(※あとに解説有り)水気を拭く。
②フライパンに油をひいて、①を皮の方から焼く。香ばしく焼き色が付いたらひっくり返して反対も焼く。
③②をいったん、皿に取り出して、出てきた脂を捨てる。
④みりん、しょう油を入れて煮立て、③の鶏肉を戻し入れる。煮汁をかけながら鶏肉に火を通す。煮汁にとろみがついたらできあがり。
【照り焼きチキンの作り方(解説)】
ポイント① 50℃洗いをする
鶏肉は50℃洗いをしましょう。この50℃洗いをしておくと、仕上がりがぐ~んと良くなります。
50℃洗いについては、こちらの記事も参考にしてくださいね。
50℃洗い使いがおすすめ!「一度はやってみた!?低温調理 ~鶏ハムに飽きた人にピッタリ。作り置きおかずのN0.1レシピをホットクックで作ります♪」
ポイント② 鶏肉は皮目から焼く
鶏の皮が苦手という人も、調理の段階では皮をつけたまま調理することをおすすめします。皮がクッションの役目になって、身が軟らかく焼きあがります。まず、火をつけてフライパンを余熱し植物油(※)を入れて、温度を下げます。
※植物油とは、菜種油、キャノーラ油、サラダ油、オリーブ油、こめ油など原料が植物性の油のことです。この料理には、ラードやバターはおすすめしません。
ポイント③ 鶏肉は動かさない
鶏の皮目にきれいな焼き色を付けたいときは、なるべく、じ~っと、動かさないようにすることです。そ~っと、皮の方を見て、色が付いているようだったらひっくり返しましょう。
ポイント④ 余分な脂を捨てる
鶏もも肉は、それ自体にも脂肪を含むため、最初に入れた植物油以上に、脂が出てきてしまいます。これは捨てましょう。あとに加える調味料をしっかりからめるためです。
脂は捨てますが、フライパンに焦げ付いたものはそのままにしておきます。
ポイント⑤ 調味料を煮立てたところに戻し入れる
照りと自然な甘みを出すために、砂糖は加えず、みりんをたっぷり使います。ここでは「本みりん」と呼ばれるお酒を使っていますのでアルコール分をとばしてから、鶏肉を加えました。
煮汁をかけながら火を通します。
煮汁にとろみがついてきたころには、鶏肉にも火が通ったころ。
再度、ひっくり返して皮目に調味料を絡めます。これでメインディッシュの鶏の照り焼きが完成。
【まとめ】
ホットクックのような便利な調理家電はとても優秀です!何でも自動でやってくれるので、助かりますがやはり、美味しくなる調理のポイントは押さえておきたいもの。今回のみそ汁のように、自動調理に任せっきりにせず、自分で加えるタイミングやどこで、どのように加えたら
みその特徴、健康効果を最大限に生かせるのかを考えてみましょう☆
慶應義塾大学卒業後、エコール辻・東京のフランス料理、イタリア料理専攻科卒業。同校で日本料理過程修了。タイやベトナム、インドなど様々なジャンルの料理を現地のシェフに習い、製菓、製パン、テーブルコーディネートなど各々の分野で師範免状を取得。地域商品やメニューの開発・販売支援に携わっている。
【著作】
「おうちでつくる絶品広島ごはん」(本分社)
「おうちごはんレシピ1〜みそ〜」
「おうちごはんレシピ2〜小魚〜」
「おうちごはんレシピ3〜焼きだし〜」など