整理整頓のプロが伝授!お片付けSTEP4片付けを加速させるコツ
前回のコラムで、「なかなか片付ける気分になれない」という方は、15分程度で1つずつ処理するのがおすすめと紹介しました。実は、片付けやすい場所、難しいモノがあります。今回はもう少し詳しく、片づけを進めるコツを紹介します。
お片付けステップ3 新生活で役立つお片付け“3つの基本”
お片付けステップ2 挙式後ももっと素敵な毎日に♪“モノの整理”
お片付けステップ1 整理整頓のプロに聞いた!“ココロの整理”
まずは狭い範囲、私が使う場所
リビングを片付け始めるとあれもこれも気になって、片付けける前よりも散らかってしまう…なんてことはありませんか。それはリビングのように家族共通の場所には複数の人の持ち物が集まってきているため、必要なものなかどうなのか、自分では判断できずにしまえないモノが出てくるためです。片付けは、主に自分だけが使う場所、必要かどうかを自分で判断できるモノから始めます。財布、バッグもおすすめです。
私だけが使う化粧品から
片付け始めるのにオススメの場所は、化粧品コーナー。使いかけのモノ、お土産で色や香りが好みじゃないからと使っていない口紅、いつか試そうと思っている試供品などがあふれていませんか。今、使っているアイテムを取り出して、収納スペースに置きます。数が少なくなると出し入れが楽になり、忙しい朝の準備時間が短縮できそう。今使わないモノは、ボックスに入れて別の場所に。
たまりやすいアイテムがある
使わないグランドピアノが部屋にどーんとあると、なんとかしようと思います。ですが、アクセサリーのように小さいと、「まぁいっか」ととっておいてしまいがち。片方だけのピアス、流行が過ぎてしまったネックレスやブレスレット。壊れていないものはなかなか手放すことができません。「使えるかどうか」という基準でモノを分けると、たいていのものが手元に残ります。今、使うかどうかで、あなたに必要なものを取り出してみましょう。
冷蔵庫で使う人を意識
空気がまだ冷たい今は、冷蔵庫を片付けるベストシーズン。食品を全部出してしまっても傷みにくいためです。冷蔵庫の片付けでは、ものが腐ってしまったり賞味期限を頼りに「必要」「不必要」がとても判断しやすく、片付けが加速します。ただ、化粧品と違って、家族が使います。人間の脳の癖で、男性は俯瞰が得意、女性は目の前を見るのが得意と言われています。使う人が見えやすい場所を意識する必要があります。
使い勝手を考えるキッチン
料理は段取り。洗って切って焼いて煮て味付けして…と、さまざまな作業を同時進行することもあります。調理器具、食器、調味料など、さっと取り出せるしまい方をしておきましょう。置くだけ、掛けるだけなら、1回の手間で取り出せます。重ねて置くのではなく、立てて置くことで、片手で取り出せます。観音開きの扉がついた戸棚なら、1回開けるだけで取り出せる側に置いておきます。
モノを増やさないための想像力
専用の調理器具や家電は便利ですが要注意です。用途が限られているので使用頻度が低く、あまり使わないからと別の場所にしまうと取り出すのが面倒で結局使わなくなってしまう、なんてことも。専用器具がほしいなと思ったときは、代用できるものがないかも考えてみましょう。お祝いで調理器具をリクエストするときには、使用頻度や置き場所を想像してみてくださいね。
しまうことより使うこと
コンロで使う道具といえば、フライパン、両手鍋、片手鍋、中華鍋、パスタ鍋もあるかもしれません。コンロ下にしまうと便利です。ですが、この中に一つ、使用頻度によっては移動させるといい鍋があります。それはパスタ鍋。コンロで使いますが、最初にまず水を入れるはず。それならシンク下にあってもいいかも。そんなふうに、どこにあればいいのかをじっくり考えてみると、置き場所が変わるものが出てきそうです。
行動、動線をチェック
二人で暮らし始めて、お互いの生活の癖を発見することもあります。例えばタオルでも、フェイスタオルを何枚も使う人、バスタオルを使う人がいます。それによって、必要な枚数、収納スペースが変わってきます。当たり前が当たり前でないことは意外と多いものです。いったんは、相手の行動を見て、これからどうするかを一緒に考えましょう。好みの部屋の写真を切り抜いたり、イラストなどを描いておくと分かりやすいです。
私の場合、結婚当初に夫がバスタオルを全く使いませんでした。実家に行って納得。兄弟が多く3世代同居の大家族なので、フェイスタオルの方が乾きやすく、しまいやすいという扱いやすさがその理由でした。それ以来、わが家のタオルスペースの8割はフェイスタオル、バスタオルは家族人数分だけに。暮らしながら片付けも変えています。
この記事を書いた人:梶津 利江
整理収納アドバイザー1級/整理収納教育士/親・子の片づけインストラクター2級
「モノと頭の中を整理して心をスッキリ!」をモットーに、片付けのアドバイスやコラム執筆、講演などを行っています。