プロが伝授!お片付けSTEP6 片づけってお得!
二人での生活を始めると、一人のときとは勝手が違って、「なんで片付けてくれないの!?」とイライラすることがあるかもしれません。そんな時に、ぜひ思い出してほしい事柄をまとめてみました。
探しモノに6時間も!
「片付けなくてもソンしない!」と言われたり思ったりした時、ぜひ考えてみてください。出かける前に必ず携帯を探しているとしたら? 1日たった1分の探しモノでも、1カ月で30分、1年で360分になります。片付けておくことで、探しモノがなくなり、同じモノを重ねて買ったり、「見つからない」「戻すのが面倒」といったストレスも軽減されます。片付けは、「時間的」「経済的」「精神的」にお得なんです。
モノが増えたことに気づいてる?
モノが増えたことにすぐに気づく人と、気づくのが遅い人がいます。引っ越したばかりの部屋は、一番モノが少ない状態です。暮らし始めると必要なモノ、ほしいモノも加わって、1日1個増えても1年後には365個増えることになります。モノが増えているなと実感できれば途中で数を調整できますよね。たまにはお客様目線で部屋の写真を撮るなどして、家の中を見てみましょう。
「片付いている状態」は人それぞれ
片付いているとは、モノがきまった位置にちゃんと戻してある状態、まっすぐ置いてある状態、モノが隠してある状態をいう人もいます。片付いている状態のイメージが違っていると、お互いに「片付けているのに、片付いていない」ことになってしまいます。せっかく行動しているのに、なんだかむくわれませんよね。目指すゴールが違えば、片づけ方も変わります。
片付けのゴールを共有しよう
前回のコラムでもお伝えしたように、「朝起きたらダイニングテーブルでおいしいコーヒーをゆっくり飲みたい」など、片付けのゴールをなるべく具体的にすることが大事。やらなければいけないことがはっきりしてきます。特に二人で使う場所は、二人でどんな家にしたいかをしっかり話し合っておくとその後の片付けがスムーズ。一人で使う場所は思い切り自分のペースで。
モノの持ち主をはっきりさせて
部屋の隅に、親戚からいただいたお土産がずっと置いたまま。そんなふうに、家の中に気にしながらそのままになっているモノがありませんか。持ち主がはっきりしないモノはあまり気にならない、自分事になりにくいのために放置されがちです。二人で読む新聞、二人の思い出の品などもそう。「これ、あなたのモノよね」と持ち主をはっきりさせることも、片付けをすすめるコツです。
迷わない定位置を
モノが出しっぱなしになっているとしたら、しまう場所が分からないのかも。だから適当に収めて、次に使う時に見つからないのかもしれません。二人で使うモノこそ、収める場所を決めておくと出すのもしまうのも楽。見えるように棚に置いたり立てたり、ラベリングなどで置き場所を明確にするなど、誰でも簡単にしまえる方法にするといった工夫が必要です。
使ったら戻す習慣は幼少期に
実は、「元に戻す」という習慣は幼少期に身に付けておかないと、大人になってからは難しいと言われています。でも諦めきれません! あなたがうっかり置いてしまう場所はありませんか。右利きなら右手側に、家事の動線上、立って使うものなら腰の高さの棚がモノをうっかり置きやすい場所。そこをしまう場所にするのも手です。一方で、うっかり置いてしまう場所をなくすと、家の中はとてもスッキリしてきます。
「片付けて!」は効果なし
「片付けて」とお願いしても、片付けた状態のイメージは人によって異なります。そこでオススメするのが、「元に戻して」という声掛けです。ですが、それを言うには、戻せる場所を決めておかなければいけません。片付けは仕組みづくりが勝負。新生活のスタートは仕組みづくりの最大のチャンスです。ちょっと面倒かもしれませんが、今後のためにぜひ片付けの仕組みづくりを!
さて、片付けのイメージ、少し変わってきましたか。片付けが苦手、片付けが面倒と思うのは、片付けにマイナスイメージがあるからかもしれません。「片付けるとお得になる!」「片付けが苦手なのではなく、片付ける仕組みが間違っていた」と考えてみるとプラスのイメージが広がりませんか。「片付けるといいことありそう!」という気持ちで楽しくチャレンジしてください。
この記事を書いた人:梶津 利江
整理収納アドバイザー1級/整理収納教育士/親・子の片づけインストラクター2級
「モノと頭の中を整理して心をスッキリ!」をモットーに、片付けのアドバイスやコラム執筆、講演などを行っています。