キレイへの近道!〈 管理栄養士に聞いた 〉知っておきたい花嫁ごはん
前回はプレ花嫁世代からはじめたいアンチエイジング、老化防止に役立つ食生活についてお伝えしました。
前回記事はこちら
今回は、美とダイエットの大敵である貧血についてお話します。貧血といえば、めまいや立ちくらみ、息切れが代表的な症状として知られていますね。「私は大丈夫」と思っている人も多いかもしれませんが、貧血の検査で引っかからなくても実は隠れ貧血、という女性は非常に多いのです。
特に、若い女性に貧血は多く、予備軍を入れると女性の約4割が貧血といわれています。貧血は肌をくすませ目の下にクマを作り、太りやすく痩せにくいし体質にしてしまいますから、食事で貧血予防をすることがキレイになるための近道です。
隠れ貧血に注意!
一般的な健康診断では血液検査でヘモグロビンの値から貧血かどうかを診断します。血液中の鉄分は月経や出血などで不足すれば、フェリチンと呼ばれる貯蔵鉄から補われる仕組みになっています。ですから、女性の潜在的な貧血のリスクを把握するには貯蔵鉄であるフェリチンの値を調べなくてはならないわけです。
健康診断で貧血と診断されなくても、疲れやすい、イライラする、よくあくびが出る、冷え性、顔色が悪いと感じるなどの症状があれば、隠れ貧血かもしれません。鉄分が不足すると舌の温度が上昇し、無意識に氷やアイスクリームを口にしたくなりますから、氷やアイスクリームが大好きという女性も要注意!
貧血にはホウレンソウ!?ヒジキ!?
鉄分の多い食材というと、ホウレンソウやヒジキを思い浮かべる人が多いかもしれませんね。鉄分には動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品に多く含まれる「非ヘム鉄」があります。
ホウレン草やヒジキに含まれる「非ヘム鉄」よりも肉や魚に含まれる「ヘム鉄」は吸収率が4倍ほど高いと言われています。特にヘム鉄を多く含む食材として赤身の肉や、カツオやマグロなどの赤身の魚、イワシやサバなどの青魚や貝類があります。
また、ビタミンCは鉄分の吸収率をアップしてくれるので柑橘類と合わせるなどするのもおすすめです。
食後のコーヒーが鉄分の邪魔をする
非ヘム鉄の吸収を阻害してしまう成分にタンニンがあります。タンニンは緑茶やコーヒー、紅茶、ダイエット茶などに多く含まれますから、食事中や食後30分以内にタンニンを含むものを摂らないことが大切です。
食事中や食後は、ほうじ茶や麦茶、ハーブティーなどにすると野菜などに含まれる非ヘム鉄からもきちんと鉄分を吸収することができます。
将来妊娠を考えているなら、鉄をしっかりと蓄えておくことが大事
妊娠すると血液量が増えるため、貧血になりやすくなります。生まれてくる赤ちゃんの体内の鉄の量はお母さんの体内の鉄の量と比例することがわかっており、貧血のお母さんから生まれてくる赤ちゃんは貧血で生まれてくると言われています。
出産により多くの血液を失うため貧血に拍車がかかるとともに、産後、お母さんの身体を回復するために多くの酸素を必要とする時期に血液が栄養不足だとなかなか回復できない事態にもなります。
また、貧血状態が続くと赤ちゃんの世話が負担に感じるようにもなりますから、産後うつ予防の観点からも、妊娠を希望する場合は妊娠前から鉄を意識した食生活を送ることが大切といえます。
(参考文献)「美人の食卓は1日2000kcal」細川モモ著 講談社
【花嫁ごはんレシピ】
パプリカの肉巻きソテー
(材料/2人分)
牛肉(薄切り)160g、パプリカ(赤・黄)各1/2個、ごま油・小麦粉各適量
(★)砂糖・醤油・コチュジャン各小さじ2、ニンニクすりおろし小さじ1/2、酒大さじ1/2
(作り方)
① パプリカは千切りにして、レンジ(600w)で1分加熱して粗熱をとる。
② 牛肉を広げ、こしょうをふり小麦粉を薄く振り①のパプリカを巻く。
③ フライパンにごま油を熱し、②の巻き終わりを下にして並べ、転がしながら全体を焼く。
④ 肉に火が通ったら、合わせた★を加えて全体にからめる。
(ポイント)
牛肉は鉄が豊富に含まれている赤身の部分を選ぶとよいでしょう。彩りもよくお弁当のおかずにもお薦めです。
この記事を書いた人:
ウェルネス栄養サポート 代表/主任管理栄養士 藤岡華代
管理栄養士、広島市認定食農コーディネーターなど。幅広い世代に向け具体的で実践しやすい食事指導を行っている。
http://www.local-fan.or.jp/
TOP画像出典:http://greenweddingshoes.com/