プロのライターが教えてくれた!伝えたいことを伝える♡花嫁の手紙の書き方その1
披露宴の感動的なシーンといえば「花嫁の手紙」。上手に作文するよりも、大事なのはありがとうの気持ちを素直に伝えることですよね。気持ちを込めることに集中できるように、手紙を書くコツを紹介します。
手紙を書くタイミング
私、かれこれ10数年前に手紙を書きました。披露宴の前日まで仕事をして、その夜に仕上げました。書いているうちにいろいろと思い出し、思いがあふれて涙がボロボロ。
そんな様子を見た妹が「つらいなら結婚やめたら」と言ったほど(笑)。それだけ泣けば、翌日にまぶたが腫れてしまったことはいうまでもありません。さらに、睡眠不足による目の下のクマも追加。早く書いておけばよかったという反省から、3日前ごろには手紙は仕上げておきたいものです。
全体の構成は大きく3つ
手紙の構成は、出だしの言葉、本文(エピソード)、結びの3つ。出だしや結びの言葉は決まり事をおさえつつ、いつもの呼び名で話しかけるような形がおすすめ。
あくまで特定の人に向けた手紙であり、スピーチではないので堅苦しい挨拶はなしでOKです。
力を入れたいのは、本文のエピソード。愛情を感じた思い出、つらかった時に励ましてくれた言葉など、感謝の気持ちを伝える相手との関係性が分かるエピソードを盛り込みます。
思い出したことをどんどん書き出す
いざ書こうとしてペンを握ると、一文字も書けない…というのは、たぶん文章を頭の中で完成させようとしているから。書くのが苦手という方でも、比較的書き出しやすいのが付箋を使う方法です。
数行メモできるくらいの付箋を用意して、1枚に1エピソードを書いていきます。内容のよしあしは気にせず、思いつくままにどんどん書いていきます。それをテーブルなどに張っておき、出し切ったな~と思ったら、全体を見てみます。
エピソードを絞り順番を考える
今度は、それぞれの中から2、3のエピソードを選びます。付箋の枚数が多くて選びきれないなら、まずはライフステージ別に分けてみるのもいいでしょう。
幼児、小学校、中高大学、社会人、という感じです。選んだ付箋を並べ、話す順番を考えます。自分の成長に合わせて時系列に並べて今につなげる、また最初に特に印象に残っているエピソードを言って子どものころから振り返るなど。付箋なので入れ替えも簡単でしょ。
本文の前後を足す
付箋で本文の構成がある程度きまったら、書き出しと結びの言葉を加えます。このように、小さな作文を作って、あとでつながりを考えます。この方法は手紙に限らず、作文全般に使えるワザ。子どもの作文教室などでも使うテクニックです。
「最初の1文字目が書けない」というお悩みは結構多いんです。
最初の1文字が付箋に書き込むだけなら、気軽に進められるはずです。書き出しと結びの言葉のヒントを紹介しましょう。
いつもの呼び名で話しかけて
一般的には、感謝の気持ちを伝える相手への声掛けです。「お父さん、お母さん」といつもの呼び名で。手紙を読むあなた自身も、聞いているゲストも、同じ景色を想像しながら手紙の内容を聞くことができます。
「お父さん、お母さん、これまでありがとう」「今日、新たな人生の一歩を踏み出します」など。
また、「お父さん、お母さん、覚えていますか」と投げかけると、「なになに?」と気になりますよね。聞き手の関心を引き付ける方法です。
感謝と決意の言葉で締める
いよいよクライマックス。結びの言葉です。どうやって終わらせるかで手紙全体の印象が変わってきます。押さえておきたいのは、感謝の気持ちとこれからの抱負。
感謝の言葉は、自分の両親だけでなく、新郎の両親や列席者にも伝えると感じがいいと思います。これから二人で幸せになることの決意を伝え、自分の両親にはこれまでのことへの感謝、新郎の両親にはこれからのことをお願いします。
文章は短くすればリズムがいい
相手に思いを伝える文章を書くために、一番てっとり早いのが1文を短くすること。一文が長くなると主語と述語が遠くなり、何を言いたかったのか言う側聞く側ともに分からなくなるためです。「が」「と」などで文章をつなげているところがあれば、思い切って「。」で終わらせてみましょう。
短い文章で構成された文章は、リズムよく読み進めることができます。実際に読んでみて調整しましょう。ポイントは気持ちが伝わるかどうかです。
花嫁の手紙の最大の目的は、感謝の気持ちを伝えること。ですから、文章を書くテクニックよりも、素直に気持ちを出せるかどうかが、素敵な手紙の決め手になります。
アルバムなどを見て当時の気分に浸りながら、感情モードをオンにして思いを巡らせてみましょう。あれこれ伝えたくなってもガマン。ポイントを絞ることで伝えたいことをしっかりと伝えることができます。
この記事を書いた人:梶津 利江
フリーの編集者&ライター。書籍、広告媒体、ウェブなどで、企画・提案から記事作成、編集を行う。心がけていることは、情報を網羅するだけでなく、その人、出来事が持つメッセージを伝えること。整理収納アドバイザーとしても活動中。