知っておきたい“花嫁ごはん”『葉酸』についてのお話
シリーズでお伝えしている“花嫁ごはん”
今回は、将来妊娠を望む花嫁さんにはぜひ知っておいてほしい栄養素『葉酸』についてのお話です。
「葉酸?聞いたことない。」という方も多いかもしれませんね。赤ちゃんの健康にもかかわる重要な栄養素ですから、この機会に知っておきましょう!
~葉酸は妊娠前から摂る!を忘れるべからず~
ビタミンB群の一種である葉酸は、妊娠の際に胎児の先天性の奇形である無脳症や二分脊椎症などの神経管狭窄障害を防ぐ働きが知られているビタミンの1つです。
その他にも、正常な月経と排卵をサポートして受精卵の成長を助けて流産のリスク低下や不妊の最大の原因となる排卵障害のリスクを軽減する可能性があります。
「妊娠がわかってから摂ればいいよね?」とよく聞かれますが、答えはNO。
女性が妊娠に気づくのは4週目以降であり、この時期には脳や脊髄はは作られ、6週目には神経管が作られます。妊娠に気づいてから急いで葉酸をとっても障害を予防することは難しいのが現状です。
厚生労働省は「妊娠前1ヶ月から妊娠後3か月にかけて葉酸を毎日400μg以上摂る」ことを推奨しています。結婚して妊娠を具体的に考えている夫婦は早めに葉酸を意識して摂取することが大切です。
~歯周病対策にも葉酸!?~
日本人の8割が歯周病といわれています。歯周病は低出生体重児や早産や流産に関連していると報告されています。しかし、まだ不明な点が多く関係性についてはさらなる臨床研究が必要と考えられています。
妊娠を考えている方は、定期的に歯科検診を受けるなど歯周病対策をしておくと安心ですね。お口の健康をサポートする栄養素に葉酸やビタミンB6、ビタミンB12がありますから、これらの栄養素も積極的に摂りたいですね。
~上手に葉酸をとるポイント~
葉酸は字のごとく緑黄色野菜に多い特徴があります。その他に、レバーや肉、果物、豆類にも豊富です。葉酸を多く含む食品には、ほうれん草や枝豆、菜の花、ブロッコリー、牛レバー、焼きのりなどがあります。
色の濃い野菜を最近食べてないという人は、要注意!妊娠を希望するなら意識して摂っておきましょう。
葉酸はデリケートな栄養素なので調理に工夫が必要です。葉酸は水に溶けやすく、加熱すると失われやすい特徴があります。野菜をゆでるときには茹で過ぎに注意し、水にさらす時間にも注意するとよいですね。
葉酸の吸収を阻害する因子にカテキンがあります。カテキンは緑茶に含まれることで有名ですが、最近ではダイエット茶にも含まれていますね。
緑茶やダイエット茶は妊娠に向けて積極的に摂りたい鉄の吸収も妨げます。食事中や食後のお茶は、麦茶やほうじ茶、ハーブティーがおすすめです。せっかく意識して摂取した葉酸は効率よく摂取したいですからお茶を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
~妊娠に向けて何を食べるかが重要~
ここまでお話したように、将来妊娠を考えている方は葉酸を意識して摂ることを心がけましょう。
結婚式に向けて体型を気にするようになると何を抜くかを考えがちですが、将来の妊娠に向けて何を食べて栄養を蓄えておくかが、妊娠中のトラブルやすこやかな赤ちゃんの成長を左右しますから、今から栄養をしっかりとチャージしておくことを考えましょう。
【花嫁ごはんレシピ】
ホウレン草の白和え
(材料/作りやすい分量)
絹ごし豆腐1丁(300g)、ほうれん草 1袋(200g)、人参1/4本、シメジ1/2袋、白炒りごま30g、薄口しょうゆ小さじ1【A】みそ40㌘、きび砂糖大さじ1、塩少々
(作り方)
- 豆腐はよく水きりをする。
- ほうれん草は3cm長さに切って葉と軸に分ける。沸騰した湯に塩少々(分量外)を入れ、軸から先に加えてかためにゆでる。冷水に取り、水気を絞る。
- 人参は千切り、しめじはほぐしてゆでる。
- ごまは弱火で軽く空炒りし、すり鉢に入れてよくすりつぶす。 ①の豆腐をちぎって入れ、なめらかになるまですりつぶし【A】を加えて軽く合わせる。
- ②のほうれん草と人参に薄口しょうゆをからめて水気をもう一度絞り、④にしめじと一緒に加えてよく和える。味をみて足りなければ塩で味を調える。
(ポイント)味噌の塩分によって量を調節してください。
この記事を書いた人:
ウェルネス栄養サポート 代表/主任管理栄養士 藤岡華代
管理栄養士、広島市認定食農コーディネーターなど。幅広い世代に向け具体的で実践しやすい食事指導を行っている。
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